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アミーユ支部の増員申入れと会社の拒否回答がマスコミで取り上げられました!

東京北部ユニオンは、「Sアミーユ川崎幸町逮捕報道に際しての声明」のとおり、川崎幸町での逮捕報道前の2月2日、「アミーユ光が丘」での利用者の夜間ベッドからの転落事故に対して、「夜間帯1名を早急に増員し各階に職員を配置すること」緊急要求を行なっていました。
ところが、このささやかかつ切実な要求に対して、まさに川崎幸町逮捕当日の2月15日にメッセージ社東京地区本部長が行なった回答は、「「事故防止の為に増員が必要とは考えられない」という問答無用のものでした。これは、頻発する事故・事件の責任のすべてを現場労働者になすりつけ、極限的な人員削減による金儲けをなおも進めるという会社の姿勢をむき出しにするものでした。

この会社とユニオンの攻防について、共同通信が配信し、ネット「現代ビジネス」でも取り上げられ、大きな反響をよんでいます。
以下、紹介するとともに、組合の要求書および会社の回答書そのものも公開します。

◎夜間増員で意見異なる 別施設のベッド転落事故 川崎老人ホーム親会社
2016年2月24日 (水) 配信共同通信社
神奈川新聞「夜間増員について」

 入所者3人が転落死した川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」の系列施設で1月、入所者がベッドから一晩に2回転落する事故があり、安全対策として夜間の職員を増員するかどうかをめぐり、職員の参加する組合と運営会社の介護サービス大手「メッセージ」(岡山市)の意見が異なっている。

 組合側は、4階建ての1、4階計27室を夜間は職員1人が担当しており「一方のフロアが不在になる。安全上問題」と主張。同社は「突発的事故は防げない」との見解を示した。同社は23日までに、取材に対し「個別の施設の問題であり一般的な案件ではない。誤解を招く可能性が高いと思われ(取材には)協力できない」と回答した。

 同社はSアミーユ川崎幸町の運営会社の親会社。系列施設「アミーユ光が丘」(東京都練馬区)によると今年1月、1階の入所者が一晩に2回、ベッドから転落した。大きなけがはなかった。

 一般合同労働組合「東京北部ユニオン」は今月2日、夜間の職員数を3人から1人増員し、各階への職員配置を要求。

 同社側は15日付回答書で増員を否定した。同社は「一過性の体調変化による転倒事故で、防止のために職員の増員が必要とは考えられない。要因を探り対策を行うことにより、個別に事故防止に努めている」とした上で「そもそも各フロアに職員が常駐していたとしても、突発的な居室で発生する事故は防ぐことができない」とした。

 厚生労働省によると、介護付き有料老人ホームでは入所する要介護者の人数に応じて省令で職員数の最低基準が定められているが、夜間の態勢に関する規定はない。

 結城康博(ゆうき・やすひろ)・淑徳大教授(社会福祉学)は「法的には問題ないかもしれないが、介護度の高い入所者が多い有料老人ホームではフロアごとに職員を配置するのが常識だ。最低限の職員数にしてコストを削減し、現場を軽視する経営姿勢が現れているのではないか」としている。

◎「3人突き落とし殺人」直後に転落事故が発生――老人ホームで相次ぐ非人道的なトラブルは、防ぎようがないのか
「現代ビジネス」ーニュースの深層
2016年02月25日(木) 伊藤 博敏

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48024?page=3

■「突発事故は防げない」

目撃者はおらず、監視カメラも設置されておらず、事故処理して司法解剖もしていない――。

頼りは殺害者の自供のみ、という殺人事件としては非常に困難な捜査が予想され、「迷宮入りもありうる」とされた川崎市幸区の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で発生した入居者3人の連続殺人事件は、2月15日、元職員の今井隼人容疑者(23)が自供したことで急展開、一挙に解決の方向に向かった。

そのタイミングで、「突発事故は防げない」とする会社側の回答書が寄せられ、改めて、労働環境改善の難しさが浮き彫りになった事件がある。

1月25日夜、アミーユ光が丘で1階の同じ利用者が、2度もベッドから転落するという事故が発生。かねて、各階に職員を配置、入居者全員に目が届くような環境改善を訴えている東京北部ユニオン・アミーユ支部は、2月2日、「夜間帯1名を早急に増員して職員を配置すること」という緊急要求書を会社側に提出した。

それに対して会社側は、2月15日、事故は「一過性の体調変化による転落事故である為、事故防止の為に職員の増員が必要とは考えられません」と、拒否したうえで、次のように踏み込んで回答した。

「各フロアに職員が常駐していたとしても、突発的な居室で発生する事故は防ぐことはできません」

欠けているのは、事故を未然に防ぐという発想であり、要求拒否の底に流れるのは、増員による経費増への恐れだろう。

たしかに、同じ介護事業者「メッセージ(ジャスダック)」で発生しているとはいえ、連続殺人事件とは関係がない。しかし、夜間は忙しく手が回らないという労働環境は同じ。そのため介護職員の多くがストレスを感じ、今井容疑者のような殺害は論外にしても、「虐待の土壌」があることは様々な介護現場で耳にしたし、この問題が発覚した昨年9月以降、多くのメディアが報じてきた。

■それでも改善は先送り

メッセージ創業者で医師の橋本俊明会長自身、昨年9月、アミーユで発生した連続転落死や虐待が報じられた直後、職員に向けて次のように訴えている。

<本社・本部は、管理者や職員の皆さんが、処遇の難しい人に対して、日頃負っているストレスを十分に把握せず、現場任せにしていたという、痛烈な反省を感じています>

もちろん橋本会長は、この後、虐待などの暴力行為は断じてあってはならない、と否定したうえで、次のように続けた。

<しかし、この問題を管理者、介護職員の皆さんの工夫に任せるだけでは、十分な解決は出来ないと思っています。その為の仕組みを、早急に実施していきます>

だが、環境改善にはカネがかかるという現実が、改善を先送りにする。1名増員を拒否する姿勢に、それは表れている。

回答を受け取った、労組に所属する職員がこう嘆息する。

「職員への(橋本会長の)通達は嘘なんだと思いました。会社の体制を変えるつもりはないし、体面を整えるだけで、反省なんてしてないんじゃないかと思いました」

介護現場は、想像以上に過酷である。職員が、1名増員の要求理由を説明する。

「認知症が進み、夜間徘徊や他の居室に侵入する方がいるし、インターホンを御用聞きボタンのように押す入居者さまもいます。そうした対応に追われる一方、失禁、失便の方がいれば、車椅子やベッドからの転落もある。各フロアに職員一人は、絶対に必要だと思っています」

光が丘は4階建てで63室。これを3人で見る体制だが、川崎幸町は6階建て80室を夜勤3名で見ていた。

今井容疑者は、「腹が立った。むしゃくしゃしていた」と殺害動機を述べた。それがとんでもないのはいうまでもないが、「気分的に追い込まれる現場」ではあった。

光が丘に対する会社側回答は、捉え方によっては、「もっと厳しい職場もあるから我慢しろ」といっているようにも聞こえ、その厳しく追い込まれる職場に川崎幸町があるのだから、橋本会長の通達が「嘘」に聞こえるという職員の感想も無理はない。

■連続転落死事件の教訓をどう生かすか

同時に、3連続転落事件とその後、次々にメッセージの施設で発覚した虐待事件は、増え続ける介護老人という環境のなか、入居老人が人としての尊厳を奪われ、「もの」として取り扱われている現実を明らかにした。

私は、本コラムのなかで<報告書入手!老人ホーム連続転落死はこうして殺人ではなく「事故」で片付けられた>(15年11月19日)と題し、警察も行政も業者も、まともに事故と向き合わない「不作為の作為」が招いた事件であることを詳述した。

健全な成人が、同じ建物から2ヶ月で3人転落死すれば、それだけで大騒ぎである。1人目で捜査本部が置かれて徹底捜査が展開されるのはもちろん、2人目が同じ建物の同じ部屋から転落すれば、威信をかけた捜査となり、解明へ向かおう。

ところが川崎幸町では、3人目の96歳の要介護3の歩行困難な身長150センチの女性が、120センチの手すりを乗り越えて転落しても事故処理。疑いの発覚は、それから半年も経って今井容疑者が窃盗で逮捕されて以降のことだった。

メッセージは、橋本会長が批判に耐えかねて会社を損保ジャパン日本興亜ホールディングスに売却した。同社は、昨年12月、ブラック企業批判を受けて業績急落の居酒屋大手「ワタミ」傘下の「ワタミの介護」も引き受けており、今年3月までに完全子会社化するメッセージと合わせ、いきなり介護業界第2位に躍進する。

業界再編気運のなか、現在は生かされていないアミーユ連続転落死事件の教訓を、損保ジャパンを始めとする介護業者が、今後、どう生かしていくかが問われている。

●2・2緊急要求書

緊急要求書画像
緊急要求書

2016年2月2日

株式会社メッセージ
板津泰史東京地区本部長 殿
アミーユ光が丘 施設長殿

一般合同労働組合東京北部ユニオン
委員長 吉崎 健
東京都豊島区西池袋5-13-10
 ハイマート西池袋603号
TEL03(6914)0487

アミーユ光が丘において、1月25日の夜間帯に、1階の同じ利用者が、2回もべッドから転落するという事故がおきた。以前から組合が『手薄な体制』について指摘しているにも関わらず、会社は1・4階を夜間職員一人で対応させるあり方を見直さず、入居者・職員の安全について考慮していない。事故のみならず、夜勤帯長時間両フロアを対応することは、職員にとって負担が大き過ぎる。
 そもそも『アクシスト』では認知症による行動障害、精神疾患のある高齢者には対応できない。
 事故対応に伴い休憩も取れない状態、 一方のフロアに長時間職員が不在にならざるを得ない状態は一人対応であれば容易に起こりうることでありこれは以前から指摘しているように安全上大問題であり、施設としての責任を放棄していると言わざるを得ない。限度をこえた強労働を強いて、職員は疲弊している。このままでは大事故が起きる。
 組合が以前から繰り返し要求し続けてきた「 夜間帯 1 名を増員し各階に職員を配置すること」は安全を守るための最低限の要求である。 会社は起こるべくして起こる事故の責任を受け止め、早急に夜間帯の人員増員をおこなうことを強く求める。


                要求

1.夜間帯1名を早急に増員し各階に職員を配置すること。

以上の要求に対する回答を2016年2月10日までに文書にて回答すること。
                                  
                                      以上

●2・15メッセージ東京地区本部長回答書

   ↓クリックすると拡大します。
2016年2月15日付会社側回答書(統合)





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